Whisper Voice

ジェーン・バーキン
Jane Birkin

ささやくように歌う女性ヴォーカル…
ウィスパー・ヴォイス・ファンって意外に多いと思うんだけど、音楽雑誌なんかで特集が組まれてるのってあんまり見たことないですよね。
そこで今回は管理人お勧めのウィスパー系アーティストを大特集!
囁き声のオンパレードに昇天しちゃってください!!

第9号 2006..4.29




VASHTI BUNYAN
@JUST ANOTHER DIAMOND DAY  
ヴァシュティ・バニアン
1970
2000 Spinney
1.Diamond Day
2.Glow Worms
3.Lily Pond
4.Timothy Grub
5.Where I Like To Stand
6.Swallow Song
7.Window Over The Bay
8.Rose Hip November
9.Come Wind Come Rain
10.Hebridean Sun
11.Rainbow River
12.Trawlerman's Song
13.Jog Along Bess
14.Iris's Song For Us
Extra Tracks
15.Love Song
16.I'd Like To Walk Around In Your Mind
17.Winter Is Blue
18.Iris's Song (Version Two)

ALOOKAFTERING 
ヴァシュティ・バニアン
2005 Vashti Bunyan
1.Lately
2.Here Before
3.Wayward
4.Hidden
5.Against the Sky
6.Turning Backs
7.If I Were
8.Same But Different
9.Brother
10.Feet of Clay
11.Wayward Hum

まずはブリティッシュ・フォークの歌姫、ヴァシュティ・バニアンからどうぞ。

@は語りつくされた感がありますが、永遠に色あせることのないブリティッシュ・フォークの傑作アルバム。ガラス細工のような繊細な歌声、珠玉のメロディ、ほのぼのとしたジャケット…。非の打ち所がないとはこのことでしょう。フォーキー・ファンのみならず、全ての音楽ファンにお勧めです!!
ボーナス・トラックの4曲もなかなかの佳曲ですが、いずれも盤起こし(1曲はテープから)のためノイズが入るのが残念!
だけど、「Lily Pond」は明らかにあの誰でも知ってる「キラキラ星」のメロディだと思うんだけど、ヴァシュティのクレジットになっているのはなんで?

Aはなんと35年ぶりに奇跡的にリリースされたセカンド・アルバム。もちろんあの繊細なウィスパー・ヴォイスも健在です。
@に比べて多少楽曲のクオリティが落ちている気もしますが、あの大名盤と比べること自体、野暮というもんでしょう。美しい曲がズラリと揃った名盤ですので、@が気に入ったらこちらも是非!!

@Aとも現在入手可能です。
  Just Another Diamond Day
  Lookaftering




MARGO GURYAN
@TAKE A PICTURE
マーゴ・ガーヤン
1968
2000 ポリスター
1.Sunday Morning
2.Sun
3.Love Songs
4.Thoughts
5.Don't Go Away
6.Take a Picture
7.What Can I Give You?
8.Think of Rain
9.Can You Tell
10.Someone I Know
11.Love
12.The 8:17NorthboundSuccessMerry
  -Go-Round(demo)
13.I Don't Intend To Spend Christmas
  Without You(demo)
14.Spanky Our Gang(demo)
15.California Shake(unreleased master)

@25Demos
マーゴ・ガーヤン
2001 Oglio
1.What Can I Give You
2.Something'w Wrong With The Morning
3.I Love
4.Sunday Morning
5.Can You Tell
6.Think Of Rain
7.Sun
8.Most Of My Life
9.The 8:17 Northbound Success  
 Merry-Go-Round
10.Love Songs
11.Thoughts
12.I Don't Intend To Spend Christmas
  Without You
13.Come To Me Slowly
14.Timothy Gone
15.It's Alright Now
16.Values
17.I Think A Lot About You
18.The Hum
19.Please Believe Me
20.Yes I Am
21.I'd Like To See The Bad Guys Win
22.California Shake
23.Shine
24.Hold Me Dancin'
25.Good-bye, July

ソフト・ロック・ファンから圧倒的な支持を集めているマーゴ・ガーヤンも傑作アルバムを残しています。

@マーゴ嬢が残した唯一のオリジナル・アルバム。ソフト・サイケの名盤として紹介されることもあるようですが、それ以上にポップなメロディーが印象的です。
ちょっとリンジー・ディ・ポールを思い起こさせるスパンキー&アワ・ギャングで有名な「Sunday Morning」やフルートとピアノの印象的なイントロで始る「Thoughts」、キャバレー・ミュージック風の「What Can I Give You?」、ジャケ写をそのまま歌にしたような夢見るポップ・バラード「Think of Rain」、本作では最もサイケ色が濃い(これがまた異常にカッコイイ!)「Love」そしてアルバム・タイトルにもなっているフェミニンなバラード・ナンバー「Take a Picture」など、とにかく全曲が素晴らしい出来!!一家に1枚のお宝盤と言えるでしょう!

Aは2001年になって突如リリースされた25曲入りデモ集。@からの曲の他70年代、そして1曲はなんと2000年に入って録音されたもの!!
ニューヨークの郊外で生まれたマーゴ嬢だけど、彼女の歌ってどことなくフレンチっぽい感じがしますよね。このジャケットの物憂げな雰囲気ももろにフレンチそのものですしね。
とかくデモ集というと、ガッカリさせる内容のものが多いけどこの盤だけは別。圧倒的な完成度にただただびっくり。@が気に入ったなら絶対に一度は耳にしてほしい傑作アルバムです。

@Aとも現在入手可能です。
  TAKE A PICTURE
  25 Demos




JEANETTE
@15DE COLECCION
ジャネット
2004 EMI
1.Soy Rebelde
2.Palabras Promesas
3.Estoy Triste
4.Amanecer
5.Por Que Te Vas
6.Te Esperare
7.Callate Nina
8.Sola
9.El Es Distinto A Ti
10.Oye Papa, Oye Mama
11.No Digas Nada
12.Escucha
13.Me Olvidaras
14.En Mis Noches
15.Seguire Amando

AColeccion Original
ジャネット
1998 RCA
1.Corazon de Poeta
2.Dia Es un Dia
3.Si Te Vas, Te Vas
4.Con Que Derecho
5.Cuando Estoy con El
6.Gracias a Ti
7.Frente a Frente
8.Sol de Verano
9.Acabare Llorando
10.Muchacho de los Ojos Tristes
11.Amiga Mia
12.Comienzame a Vivir
13.Ijos en el Sol
14.Toda la Noche Oliendo a Ti
15.Casita Blanca (Casinha Branca)


さて、お次はスペインから、究極のロリータ・ウィスパー、ジャネットをどうぞ。

@はカヒミ・カリイがカバーして評判をよんだ映画「カラスの飼育」の主題歌「Por Que Te Vas」、そのB面「Seguire Amando」、日本でもソロ・シングルが発売された(しかも日本語バージョン!)「あまのじゃく(Soy Rebelde)」、同じくそのB面「Oye Papa, Oye Mama」などが収録された、10代のジャネットの魅力がたっぷり堪能できるベスト・アルバムです。

Aはたぶん10代後半から20代に入ってからの作品を集めたベスト・アルバム。(ジャネットの場合詳しい資料がほとんどなく「モンド・ミュージック2001」で紹介された「英国生まれで、12歳のときスペインに移住したがすぐに家出。ぶらぶらしているときに出会った仲間と組んだバンド「ピクニック」で「夢見るセニョリータ」をヒットさせた。」という眉唾もののサイド・ストーリーが知られている程度なので困ったもんです。)
内容的には@と同様、ヨーロッパ産ポップス特有の哀感溢れるメロディに乗せてジャネットのウィスパー・ヴォイスがたっぷり楽しめます。というかウィスパー度はさらに進化、ファン必聴のコンピレーション盤となっています。

@Aとも現在入手可能です。
15 De Coleccion
Coleccion Original




小林麻美
ベスト・コレクション
小林麻美
1986 CBS/SONY
1.雨音はショパンの調べ
2.哀しみのスパイ
3.トランジット
4.幻の魚たち
5.金色のライオン
6.恋なんてかんたん
7.タイフーン
8.幻惑
9.水晶の朝
10.微熱
11.ロリータ・ゴー・ホーム
12.月影のパラノイア
13.シュガー・シャッフル
14.グランプリの夏
15.シンフォンの囁き


日本のウィスパー・ガールだって負けてません。モデルとしてCMなどで活躍していた麻美さんですが、歌手としてもヨーロッパで大ヒットしたガゼボの「アイ・ライク・ショパン」をカバーした「雨音はショパンの調べ」(日本語詞はユーミン)が50万枚を超える大ヒットとなりました。(個人的にはスマッシュ・ヒット(8万枚)に終わったけど次作の「哀しみのスパイ」の方が好き!)

91年、結婚を期に引退していますが、今でも根強い人気がある麻美さん。ベスト・アルバムも何枚か出ていますが現行盤には、同じウィスパー系のジェーン・バーキンのカバー「ロリータ・ゴー・ホーム」とリンジー・ディ・ポールのカバー「シュガー・シャッフル」が収録されていませんので、本作を中古盤で探してみるのもいいかも。
しかし、このジャケットの麻美さん、眉毛がちょっと太すぎじゃないかい?当時の流行ってこんなんだっけ。




インスタント・シトロン
@チェンジ・ディス・ワールド
インスタント・シトロン
1995 東芝EMI
1.テーマ・オブ・チェンジ・ディス・ワールド
2.スティル・ビー・シャイン
3.窓辺のピロウ・トーク
4.しあわせな時間
5.ヘイ・デイ,ダンディ
6.シー・フォー・マイルス


7.(メイク・ミー・ユア)スペシャル・ガールフレンド
8.マーチン・イン・ザ・レイン
9.小さな泥棒~La Petite Voleuse
10.ハニー・ムーン,ハニー・パイ
11.チェンジ・ディス・ワールド

Aリトル・ギャング・オブ・ザ・ユニヴァース
インスタント・シトロン
2000 Dreamsville
1.Ma petite file
2.Little gang of the world
3.Playtime’ll be over
4.Love your way
5.Happy puppy in the desolation
6.My melodies
7.Christmas Kills me
8.Stylissimo!
9.Good day broken heart
10.Jolly fellows
11.Lullaby in winter
12.Sing along(with your heart)


Bウナ・マルチーア
インスタント・シトロン
2001 Dreamsville
1.Lyrically simples
2.Nightmare bird
3.Te [Eu te amo]
4.Witching magic
5.Petit Noel
6.Busy bee
7.Lil' my friend
8.Mademoiselle Gemeaux
9.Space parade
10.I'm hip (foolish yours)
11.La marcia dei bambini


お次も日本から。片岡知子さんと長瀬五郎さんによるユニット、インスタント・シトロンの代表作をどうぞ。
知子嬢の舌足らずで甘ったるい歌声は好き嫌いの分かれるところだろうけど管理人は全然オッケー!というかかなり好き!
シトロンの音楽はとにかくスムーズでポップ。一見チープに思えるサウンドも「モンド・ミュージック2」や「レコード・コレクターズ」のインタビュー記事を見れば計算しつくされた上のものだってことがよく分かります。(とにかく知子嬢の狂気のポップ・マニア、レコード・コレクターぶりはすごい!)

@は東芝EMIからの初のメジャー作品。ユニ・チャームのCMに起用された「チェンジ・ディス・ワールド」、アコギとトイ・ピアノのやさしい響きが印象的な「窓辺のピロウ・トーク」、スティール・ドラムとパーカッションを加え、トロピカルなムードの「ヘイ・デイ,ダンディ」、アイドルが歌ってもおかしくないような超ポップなナンバー「(メイク・ミー・ユア)スペシャル・ガールフレンド」、オールド・タイミーな「マーチン・イン・ザ・レイン」など曲も粒揃い。
ただ、メジャー作品ということでストリングスやホーンが導入され、サウンドも厚く、シトロンらしさがややうすらいでるのが残念かな。とはいっても好きな作品には変わりないですけど。

Aは東芝EMIを離れたシトロンがエチケット・レコーディングスからリリースした3rd アルバムですが、突然のレーベル解散で前代未聞のわずか1週間で廃盤の憂き目に。しかし、捨てる神あれば拾う神ありということで、3ヶ月後、ドリームスヴィル・レコーズからボーナス・トラック2曲を追加してめでたく再発されたいわくつきの作品。
内容的には宅録も復活。いい意味でのチープな雰囲気も戻り、シトロンらしさが発揮されたアルバムになっています。
全曲素晴らしい出来ですが、ベスト・トラックはメロディカ、トイ・ピアノ、スタイロフォン、スライド・ホイッスルなどお得意のチープな楽器を屈指した「Playtime’ll be over」(ほんとにいい曲!)と哀歓溢れるメロディとトイ・ピアノの響きが胸打つ「Sing along(with your heart)」かな。

Bはドリームスヴィル・レコーズよりリリーされた通算4作目のアルバム。帯に「インスタント・シトロン世界をお散歩アルバム」とあるとおり日本語・英語・仏語・イタリア語・ポルトガル語の5ヶ国語で歌われます。でも、世界をお散歩と言いながら11曲中9曲が宅録とはシトロンらしいね!好きです!
もちろんどれもいい曲ですが、究極のお子様デュオ、ペイシャンス&プルーデンスを連想させる(知子嬢の声の使い分けが見事!)「Witching magic」、シトロン流ポップ・カントリー「Petit Noel」、オシャレなマーチ曲「La marcia dei bambini」(チップ・マンクス風のコーラスもグッド!)がお勧め。

シトロンの場合いわゆる可愛い系のジャケットが多いので、40を過ぎたおぢさんがレコ屋のレジに持っていくのはちょいとためらわれるところですが、ネット通販って便利なモンがあるじゃないですか。おぢさんは今すぐAmazonにGo!

@ABとも現在入手可能です。
CHANGE THIS WORLD  
リトル・ギャング・オブ・ザ・ユニヴァース
Una Marcia


公式HP
INSTANT CYTRON OFFICIAL WEB SITE !





JANE BIRKIN
THE BEST OF JANE BIRKIN
ジェーン・バーキン 1.無造作紳士(L’aquoiboniste)
2.哀しみの影(Yesterday yes a day)
3.ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ
4.想い出のロックン・ローラー
5.フォード・ムスタング
6.ジョニー・ジェーンのバラード
7.ぬかるみ
8.ディ・ドゥ・ダー
9.虹の彼方
10.バビロンの妖精
11.シック
12.さよならは早すぎる
13.コワ
14.ディーズ・フーリッシュ・シングズ
15.時の流れに…
16.それでも
17.ベイビー・ルゥ
18.目を閉じて
19.手ぎれ
20.ラ・ジャヴァネーズ


最後は究極のウィスパー・ヴォイス、ジェーン・バーキンのベスト・アルバムです。
フランスに渡った英国娘のジェーンが、奇才セルジュ・ゲンスブールと出会い、数々のヒット曲を生んだ成功物語はあまりにも有名。一度聴いたら決して忘れられない彼女の歌声はほんとに衝撃的でした。そういえばあの大人気のエルメスのバッグ、バーキンもジェーンのデザインを元に作られたとか。才能あるよねぇ。

「無造作紳士」は田村正和さん主演のドラマ「美しい人」(99年)の主題歌に起用され大評判を呼んだ名曲。ジェーン自身もお気に入りのナンバーで、急逝したゲンスブールに捧げた92年の追悼コンサートのオープニング・ナンバーとなっています。
「哀しみの影」も同じく「美しい人」のオープニングテーマに使われたナンバー。印象的なアコースティック・ギターのイントロに導かれて歌うジェーンの声は擦れて、ほとんど声が出てないところも。でもこれが逆に効果的で胸打つ名曲となっています。
想い出のロックン・ローラー」は栄光のロックヒーローに捧げたと言えば聞こえはいいが、ジム・モリソン、ジミ・ヘン、ジャニス・ジョプリン、Tレックスなどアーティストの名前を単に連ねただけの曲なのに、恐るべしゲンスブールの手腕、見事なポップ・ナンバーに仕上げています。フランスで大ヒット。
つぶやくように歌われる「ディ・ドゥ・ダー」、ニッセイのCMで評判を呼んだ「コワ」、ジャジーな「ディーズ・フーリッシュ・シングズ」、涙を誘わずにはいられない名バラード「手ぎれ」なども名曲ですね。

今年(2006年)で60歳!になったジェーンですが、5月にはニューアルバム「フィクションズ」が発売予定で、まだまだ現役バリバリで活躍中です。

本作は現在入手可能です。
THE BEST OF JANE BIRKIN


公式HP
JANE BIRKIN